中学から留学するメリットとは

中学から留学するメリットはなんですか?というご質問をいただきました。

そして、なぜ中学からなのか。

これは、私が5人の子供たちを連れてマレーシア移住をし、子供たちをインターナショナルスクールに入れた10年間の経験や行き着いた結果を元にお話ししたいと思います。

 

中学から留学生するメリット
1 日本語、基礎学力がしっかり育つ

まずは、なぜ、幼稚園や小学生ではなく、中学生以降から留学した方がよいと思うのか、についてです。

中学まで日本の教育を母国語である日本語で受けることによって、基礎学力がしっかり身につきます。また、日本語についても漢字、読解力、文法といった総合的な国語力がしっかり身につきます。幼いころからマレーシアに移住した場合、日本語の教育は家庭でするしかありません。

日本語が必要でない環境の中で、家庭で教育するのは、お子様によっては簡単なことではないかもしれません。

また、低学年だからといって、英語力がないまま留学した場合、授業が理解できず、基礎学力までもがつかなくなることもあります。

学習習慣についてもどうでしょう。

我が家の場合、上3人は日本の小学校中学校を経験してからマレーシアのインターナショナルスクールに転校していますので、両者を比べることができますが、日本の学校の方が、先生は教育熱心でサポートが手厚いと思います。

また学力だけでなく、日本では、子供たちがスポーツをする環境が整っています。幼稚園、小学校で、サッカー、野球、水泳、ダンスなど体力や運動神経を鍛えることは、高校以降の学力向上にも影響してくると考えられます。

スポーツをするまではいかなくも、歩いて暮らせる日本の環境は貴重です。マレーシアでは、車社会なので歩くことが少なくなります。高額な授業料の施設の整ったインターナショナルスクールでないと、日本のような園庭や校庭はないところもあり、幼稚園や小学生で体を動かすことができず運動不足になりがちです。

英語でも学べる力(基礎学力、読解力)、学習習慣、高校以降のハードな勉強をこなす体力は、日本で育ったから身につけられたのではないか、と思います。

わたしが思う『早期マレーシア留学の弊害』もご参考にしてください。

​中学から留学するメリット
2 留学で最も重要な高校卒業試験にあたるIGCSEに向けての準備期間が十分にとれる

マレーシア留学は何を目的に始めますか。

1年くらいだけ語学留学のため?

でも、その場合、帰国後はどうするのですか?

やはり、帰国後も大学は海外に、とかそういう選択をしたくなるケースをよく聞きます。

ここでは、マレーシア留学は海外の大学に行く目的で始めるというケースで考えてみたいと思います。

海外の大学進学を目的とした場合、インターナショナルスクールに留学すると、大学進学に必要な中等教育卒業試験IGCSEを受験することになります。セカンダリー3年間(日本の中学生)のあと、1年から2年間(日本の高校生)IGCSEコースで学び、2年目にIGCSEを受験します。

科目は、数学、サイエンス(物理•化学•生物)、英語(第1言語としての)、英文学、経済学、ビジネス学、会計学、世界史、地理、情報(IPC)、アート、中国語などの中から9科目選択して受験します。この成績が大学入学にとても重要になってきます。

かなりアカデミックな内容で分厚いテキストを理解する必要があります。

この、日本の高校にあたる学年でとるIGCSEコースまでに、アカデミックな英語力をつけておく必要があるのです。その準備期間として、中学から英語だけのテキストで勉強していくことが必要です。

『高校から留学する』というのは、IGCSEコースで学び、翌年に卒業試験を受けるには、無謀な選択だと思います。

 

中学から留学するメリット
3   海外の大学で上位成績で卒業できる可能性が高くなる

日本の高校を卒業して、TOEFLやIELTSで大学の基準以上のスコアーがとれれば、海外の大学に入学することはできます。(難関大学でなければ)

しかし、ファンデーションコースから学部に上がれない日本人がとても多いと聞きます。

または、大学の授業についていけないで帰国してしまうケースもよくあるようです。

それは、どうしてでしょうか。

例えば、イギリス系のインターナショナルスクールからイギリスやオーストラリアの大学に進学する生徒たちというのは、IGCSEでアカデミックな選択科目を学び、そのあとA LEVELコースというさらに専門的で高度な内容を1年半学んだあとに、大学に進学しています。

A LEVELは、IGCSEと比べ物にならないくらい難関な試験です。IGCSEで基礎を学び、A LEVELでさらに専門的に学ぶという流れです。

例えば、経済学を例にとっていいますと、大学の経済学部に進学する前に、3年間、IGCSEコースとA LEVELコースで下準備をしてから大学入学に進学しているということです。

それを抜きにして、日本の高校を卒業した後、海外の大学に入った場合は、ついていけなくても納得ができます。

逆に、IGCSE とA levelでハイスコアをとって卒業し、大学に進学している場合は、大学をトップの成績で卒業するのも夢ではありません。

そうすると、海外の大手会社に就職することにもつながります。

 

中学から留学するメリット
4  将来活躍する場が世界に広がる

海外で就職するには、学位以上の学歴が必要ですが、それだけではなく、大学での成績も重要視されます。学年上位の成績で卒業することが大手会社に就職するためには必要となります。

海外の教育事情にうまく乗り、大学を成績上位で卒業するためには、遅くとも中学からの留学がよいと考えらます。

また、マレーシア留学はマレーシアだけで終わることにはならないでしょう。大学の選択肢も、アメリカ、オーストラリア、イギリス、ヨーロッパの国々など、世界中にひろがります。

そうなると、卒業後に活躍する場も、世界中に広がるということです。

長男は、マレーシア留学(オーストラリアのモナシュ大学)からシンガポールの大手会計監査会社に新卒採用で就職しています。

長女は、マレーシア留学(モナシュ大学)からオランダの大学に交換留学しています。

このあとは、ドイツの大学院に進学したいようです。

中学からのマレーシア留学は、将来の選択肢を増やすことにつながります。